【9月議会報告】八尾市の介護保険財政、このままで大丈夫なのか?

9月9日、9月議会の一般質問で、八尾市の介護保険財政について取り上げました。

八尾市では、介護給付費準備基金が枯渇し、大阪府の「介護保険財政安定化基金」から借入れを行う事態となっています。

厚生労働省が公表した令和7年度末の貸付状況では、全国1,574保険者のうち貸付けを受けているのはわずか4保険者、0.3%。大阪府では43保険者中1保険者で、本市の答弁と合わせると八尾市のみです。

借入額は、

令和7年度 1億2,824万6,296円
令和8年度 11億5,638万円(予定)

全額を活用した場合、総額は約12億8,463万円にのぼります。

当然、この借入金は将来返済しなければなりません。

市の答弁では、予定している借入額を全額活用した場合、その償還だけで第10期の介護保険料に「月額約500円」の影響が出るとのことでした。

■ 「月500円」の重み

八尾市の介護保険料基準月額は、

第8期 6,556円
第9期 7,089円

と、前回の改定で月額533円、約8.1%上昇しました。

つまり、第8期から第9期への3年に一度の保険料改定で上がった額が533円。

それに対し、今回の借入金は、その「返済だけ」で第10期の保険料に月額約500円の影響が見込まれているのです。

前回の値上げ幅に匹敵する負担が、今回は借金の返済だけで生じる可能性があります。

これは決して小さな数字ではありません。

■ なぜ、ここまでの事態になったのか

令和6年度を見ると、要介護・要支援認定者数は、

計画18,321人 → 実績19,099人。

介護給付費は、

計画約263億9,899万円 → 実績約273億8,986万円。

初年度から約9億9,087万円、計画を上回りました。

訪問介護の利用も計画を大きく上回っています。

市は、その背景の一つとして、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や有料老人ホームの増加を挙げています。

私はこれまでも議会で、サ高住への生活保護受給者の入居や、いわゆる「囲い込み」、未届け有料老人ホーム、特別養護老人ホームの空床など、介護サービスを取り巻く需給構造について繰り返し問題提起してきました。

今回も単に「予想以上に介護給付費が増えた」で終わらせるのではなく、既存施設の稼働状況、実際の入所ニーズ、人材不足、新規開設、施設の売却や運営主体の変更、生活保護受給者の入居状況、介護サービスの利用実態などを総合的に検証し、第9期計画の見込みそのものが適切だったのかを検証するよう求めました。

市からは、

「介護サービスを取り巻く需給構造について、既存施設の稼働状況やサービス利用実態等も含め、総合的に把握・分析することは重要」

との答弁がありました。

■ 第10期では「数値目標」「毎年度検証」「公表」

第10期計画については、具体的な数値目標を設定し、毎年度PDCAによる評価・改善を行い、その結果を公表するとの答弁がありました。

さらに、

「計画値と実績値に一定以上の乖離が生じた場合には、計画期間中であっても原因分析を行い、必要な対策を講じる」

との答弁もありました。

計画を作って終わりではなく、大きな乖離が生じれば3年間の計画期間中であっても検証し、対策を講じる。

これは今後、しっかり確認していきます。

■ 「介護保険財政危機宣言」も提案

最後に私は、現在の状況を踏まえ、例えば「介護保険財政危機宣言」を発するなど、トップ自ら危機感を明確に示し、全庁を挙げて介護保険財政の立て直しに取り組むべきではないかと迫りました。

これに対して、副市長からは「全庁で取り組む」との答弁がありました。

私は市長自身の危機認識と決意を問いましたが、市長本人から直接の答弁はありませんでした。

副市長が明言した「全庁で取り組む」という言葉を、今後、具体的な行動につなげてもらわなければなりません。

■ 最後に「ツケ」を払うのは市民です

現在の八尾市の介護保険料基準月額は7,089円。

第8期から第9期への改定では533円上昇しました。

そして第10期では、今回の借入金を全額活用した場合、その償還だけで約500円の影響が見込まれています。

さらに、第10期では高齢化や介護給付費の増加など、本来の給付費増による保険料上昇も考えなければなりません。

仮に、借入金償還による約500円に加え、給付費増などによってさらに月額1,000円程度上昇するとすれば、

7,089円+約500円+約1,000円
=約8,589円

月額8,600円近くになります。

もちろん、第10期の保険料はまだ決まっておらず、これは現時点でのシミュレーションであって、8,600円になると決まったわけではありません。

しかし、仮にこの水準となれば、現在の大阪府内の保険料水準と比較すると一気に上位クラスとなります。

結局、介護保険財政悪化の「ツケ」を、介護保険料という形で負担するのは市民です。

だからこそ、「予測できませんでした」では済ませられません。

第10期計画で何を変えるのか。
給付費の適正化は本当に進むのか。
計画と実績の乖離を早期に把握できるのか。
そして、市民の保険料負担をどこまで抑えることができるのか。

今回の質問で終わりではありません。

副市長が答弁した「全庁で取り組む」が本当に実行されるのか。

市民の皆さんに介護保険料という形で安易に「ツケ」を回すことのないよう、今後も数字を追い、しっかりとチェックしていきます。

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